日時:2009年12月10日(木)午後7時から午後9時(開場午後6時30分)
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<瓦を楽しむ>
タイトル”屋根は瓦で決まり 洋瓦でピンクの豚を楽しむ”
講師は 喜田 啓之 氏(瓦葺師)です。
四角い現代風な建物や住宅が増えて来た今も、屋根と言えば瓦を思い浮
かべます。地震の影響で重い瓦屋根は敬遠されながらも、重厚ないぶし
色の屋根に憧れを持つ人は多いのではないでしょうか。今回、瓦一人親
方の喜田先生の瓦にまつわる色々な話を聞きながら、改めて瓦への思い
を募らせました。
「いらか~の波に~」と謳われる甍(いらか)は、実は瓦屋根を指すの
では無く、瓦屋根のてっぺんを押える瓦の一部品を本来は指すのだそう
です。その象徴的な部分がいつしか瓦屋根そのものを意味するように
なった様ですが、こうした歌があるように日本の瓦屋根はとても美しい
情景をいくつも作り出していきました。
「屋根は家の顔」屋根は決して家の「頭」では無いのだそうです。そう
言われて提示された日本家屋の立面図は、家の姿のおよそ半分が屋根の
絵になっている事に気づかされます。しかし、昨今建てられる建物の立
面図に屋根の絵はあまり描かれません。勾配が少なく、屋根に特徴が無
くなっているのです。
そんな風潮の中で瓦の素晴らしさを如何に伝えていけばよいのか、そん
な思いの詰まった講座でした。施主さんのひと言から始まったピンクの
豚を屋根に載せるという喜田先生の発想は、鬼瓦や屋根飾りに連なる思
い付きでなく、屋根や瓦に人の目を向けたい思いであるように感じます。
瓦は単なる屋根の材料ではないのだと、屋根の楽しさを更に知ることの
出来た講座でした。